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さくらの文学
さくらに彼岸を見た人たち



さくらに彼岸を見る

作文中 さくらの美しさはほかの花の美しさとは何かが違う。 その何かは形や色のその向こうからくる。この世のものにしては美しすぎるのです。

そして先人たちはそのさくらの向こうにどうも「彼岸」を見ていたふしがあるのです。
いや、わたしたちだって思いもかけず花吹雪の下にたたづんで陶酔感に包まれたら だれもが「この世でない」何かを感じる一瞬があるのではないでしょうか。

「さくら」がなぜ日本人にとって特別な花なのか、 「薔薇」や「梅」「紫陽花」「向日葵」・・百花の美しさとは何がちがうのか? 他の国の人が満開の桜を見たり花吹雪の光景を目の当たりにして そこに人生のはかなさや、底にひそむ死の影を思うことはあるのでしょうか? 日本人の心の深層にあるスイッチをオンにするはたらきを 「さくらの咲きよう」に見ないわけにはいきません。 この列島の自然の中で「さくら」に投影される感受性は民族の「血」とも言え、 日本人を日本人としてくくってやまないのです。

古来、西行を始め多くの歌人や作家が、 現代でも映画、演劇は桜を題材や背景にしてきました。 桜の華やかさの中にただならぬものの影を見る芸術家は多く、 鑑賞するわたしたちもそれをすなおに受け入れる素地を持つようです。




桜が咲いて春の到来を感じたすぐ後に花びらが雪のように降る様を見ると、 美しいと思うと同時にいいようのない不安におそわれます。 そんな時、 古人(いにしえびと)の死生観や無常観が自分の血の中にも流れていることを感じるのです。



そうしたことについて語れるだけの理解も文章力もないのですが、 先人たちの文章、言葉、表現を集めてみたいと思います。



070512






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