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さくらの文学
桜に彼岸を見た人たち
〜梶井基次郎「桜の樹の下には」〜



梶井基次郎「桜の樹の下には」

作文中 「桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている! これは信じていいことなんだよ。 何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。 俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。 しかしいま、やっとわかるときが来た。 桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。」


この世の物とも思えない桜の優美さが、土の中の死体という醜悪な存在を隠している。 いや、桜の樹が死体から養分を吸い取っているから、 あれほど桜が美しくなる、と梶井は書いています。
この世の生は時間を限られたかりそめの舞台にすぎず、 美しいものもいずれは崩れ去るという日本人の無常観が投影されています。
また全ての事象のオモテと同時にウラを見る日本的な思考法も含まれているようです。


070512






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